ゴールを目指す、それは並大抵の事では達成できない。
幾つもの障害が行く手を阻むからだ。
結婚は人生の墓場という、なるほど言い得て妙だ。
様々な制約のある身として一生縁がなさそうな俺にはどうでもいいことだが、
それでは人生のゴールはどこにあるのだろうか。
そんなある意味究極の命題を解き明かそうとする。
明るい土色の大地を下に進めば、小さな暗闇が目に映り、俺の思考を途切れさせる。
読み物をしながらではその深遠たるきらめきを見つける事はかなわない
そう悟った俺は本を閉じようとした。
するとそこに今まで感じていたはずの引っ掛かりが無いことに気付く、今の1枚で最後だった
のだ。
それほど考え込んでいたのか、
はたまた考え始める前には既に最後のページまで読み進めていたのか。
「はは、これもゴールといえばゴールだな」
力の抜ける肩透かしに苦笑いをして、本を元ある場所に戻すとゆっくりした動作で立ち上がる。
いいエロ本だった。
うんこ座りをしながらの読書だったので、無理な負荷がかかってしまったのか
股関節が悲鳴をあげていた。
軽く尻をグラインドさせて腰をほぐす。
携帯を見れば2時間ばかり経っている、15分で済ます予定が大幅に遅れてしまっていた。
完全に想定の範囲外だ。
「すまない、リヴァル、おもわず読み入ってしまったよ」
「喜んでくれたなら幸いだぜ。ここはマニアの間でも、隠れた穴場なんだ。
でも、本屋でウンコ座りで読み入るのはいかがなものかと思うぜ」
「・・・・・・」
「?」
「・・・・・・」
「おい、どうしたんだよ?ルルーシュ、俺別に変なことは言ってないと思うけど」
「リヴァル、おまえにとってのゴールとは何だ?」
キリッ「会長の乳首」(0.2秒)
「お前らしいよ・・・」
おっぱい成人、
いや、現在はおっぱい星人であり、
ゆくゆくはおっぱい聖人として天寿を全うするリヴァルにとって、
愛しのミレイ会長の生乳首はゴールなのだろう。
乳首でゴールにしてしまうあたりがリヴァルらしいといえばリヴァルらしいのだが。
思考にふける俺をよそに、隣ではリヴァルが熱弁をふるっていた。
やれ
「生徒会で伸ばせば会長の胸にすぐ手が届く地位にある俺は、
富士山で言うと3合目くらいだ!」などと意気込んでいるが、
富士山スカイラインを使えば5合目までは車でいけるんだぞ、標高2400mだ、
3分の2を 楽して登れるじゃないか。
つまり、他のやつらにいつでも出し抜かれる可能性があるってことだ。
優しい俺はそれについて指摘することはない。
・・・・・・・
思考がずれてしまったが、俺のゴールか・・・。
ふいに、
「俺は・・・世界を・・壊し、世界を・・・創る」
などという電波を受信したがこの際、いっさい無視する。
知識は豊富で経験も多種多様だが、まだまだ童貞坊やである俺には早い気がしたからだ。
だが、とりあえずのゴール(目標)は
「ナナリーや咲世子にばれないように、今日買ったエロ本で股間を合衆国日本にすることかな」
俺はいつも正しい。